台風が来る
東京は台風が迫っている。嵐の前の静けさである。
台風が来ると心が少し躍る。若いときは嵐が来るとわざわざ外に出たくなったものである。
今でも外に行きたいとか思うこともあるけど、濡れて汚れることを考えると後が面倒くさいので無難に過ごしてしまう。
若いときのような勢いで見切り発車できないのが、これじゃだめだなと思ったりする。
なんで若いときは嵐が来るとあんなにテンションが上がったのか、今考えるとわかる気もする。
台風なんぞはエネルギーの塊である。だからこそ危ないわけでもあるが、そんなエネルギーの塊が来れば、エネルギーの有り余ってる若者ならそりゃあテンションは上がるだろう。
嵐の中で雨風と戯れて叫びながら転げ回りたくもなる。
ロックのライブに行くようなもんである。
明日がもし仕事がなければ今夜も広い公園にでも行って嵐と戯れたい。常識的には叱られてしまうが、心身の要求である。
細かいことを抜きにすれば、心身の浄化ということでは絶好の自然エネルギーである。鬱滞してるエネルギー、もやもや鬱屈したものもすっ飛ばしてくれるであろう。
引きこもりの若者なんかにもきっとうってつけである。
荒れ狂う大自然のエネルギーの破壊力は、自分を抑え込む壁も塞ぎ込む殻も薙ぎ払ってくれるかもしれない。
大自然のパワーの前では、一人の人間の悩みなど鼻クソほどである。
ニュースでは決して外には出ないでください!と言うが、当然である。
しかし、こんなときこそ外へ出て嵐と一つになってみたまえ!と自分は言いたい。
あくまでも安全に留意した上で、大自然のパワフルなエネルギーを活用するのも一つの方法である。
こんな無責任なことを言う人もあまりいないだろうけど、
見方一つ変えれば、接し方一つ変えれば嵐も恵み、ありがたい恩恵なのである。